シジミとシメジ

今日のテーマは『たとえ話』です。
ちまたに溢れている、『○○何個分』とかいうアレです。

春は出会いと別れの季節と言いますが、時期的に歓送迎会の予定がある方も多いのではないでしょうか? そんな時に肝臓をいたわる意味でシジミ汁を飲むなどという方もいらっしゃると思います。
なんでも、シジミに含まれるオルチニンという成分が肝臓に良いのだとか。
そういう事もあってか、オルチニンのサプリなどには『シジミ500個分のオルチニン』などと書かれています。

さぞかしシジミにはオルチニンが多く含まれているのだろうと思いきや、調べてみるとキノコ類、特にシメジなんかはシジミに比べてグラム当たりの含有量が約10倍もあるのだとか。
『それなら、シジミ汁よりはシメジ汁だねー』などと考えてしまいますが、冒頭にも記したように、このようなたとえ話はちまたに溢れています。

良く言われるのが食物繊維。 キャベツ○個分などと例えられますが、キャベツに含有される食物繊維は大根・人参・かぼちゃなどの一般に食される野菜に比べても少なく、そもそもなぜキャベツでたとえてしまったのかと疑問が出てきてしまいます。
『ひょっとしてキャベツ確認中の陰謀なのでは?』(; ・`д・´)とか、私の妄想も無駄に膨らむ訳です。

他にも『富士山○個分の高さ』とか『25mプール○杯分』とか『象○頭分の重さ』とか『東京ドーム○個分の広さ』など、一瞬『おぉすげぇな』( ゚Д゚) などと思いますが、よく考えると一周回って凄いのか凄くないのかよく解らないたとえばかり。
たとえば『成人男性が1日に必要とする食物繊維の摂取量ってキャベツ何個分?』って聞かれて、すぐ答えられる人はそうそう居ないはず。(※キャベツ1個と1/3だそうです。ソンナニタベラレマセン)
東京ドームに至っては、いったい全国民の何%が東京ドームに行ったことがあるのか?とか思い始めてしまう訳です。 見たことないモノに例えられてもねぇ。(-_-;)

私のお仕事でも、例えば住宅の省エネ性能や断熱性能の伝え方ひとつとっても悩むわけです。
業界で広まりつつあるBELSなどは性能をランク付けをしていますが、『☆5つですよ(^^)』などと言われてもお客様はポカーン( ゚Д゚)となるでしょう。

『一般のメーカー住宅の3倍の断熱性能ですよ(^^)』と例えてみても、大抵の方はメーカー住宅の断熱性能を当然知らないはずです。
ともすれば『そんなに断熱材が必要なの?』と逆に疑問を持たれかねません。

それならばゴリゴリの数字で説明しようと、『低燃費住宅のUA値は0.28程度で、たとえば30坪程度の家ならば外皮面積が400㎡程度になるんですが、外気温が0℃の時に室内温度を20℃にキープしようとする際に必要なエネルギーは0.28×400×20=2240W/hになります。 これって、6畳用エアコン1台分の暖房能力に相当するんですよ! (^^)』などと、立て板に水を掛けるがごとく話をしようものならば、お客様の心の中の耳は、火を通す前のシジミのようにぴったりと固く閉じられてしまう訳です。

うーむ、悩ましい。 (-_-;)

そういう訳で、どのようにしたらお客様にとって有益な比較検討のモノサシを提供できるかと、一人の専門家として苦心する日々なのです。

さて最後になりますが、来週は久しぶりに当HPのコーナー『低燃費余話』の更新を予定しています。
マニアックな話題を取り上げるこのコーナーで、私の苦心が実るか否か、期待せずに生暖かくご覧いただければと思います。

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